日本近海の海底で、レアアースを含む泥が確認されています。夢の資源のようですが、家計に直結する話なのか、少し立ち止まって整理してみます。
目次
■要点
① 中国依存を減らせる可能性
レアアースはEVや風力発電、半導体、スマートフォンなどに不可欠です。供給の多くを中国が占め、過去には輸出管理の強化で価格が変動しました。自国のEEZ内に資源ポテンシャルがあることは、経済安全保障の観点で大きな意味を持ちます。
② 商業化は未定、価格安定はまだ先
確認されているのは南鳥島周辺、水深約5,000m級の深海です。採泥・揚泥技術、選鉱・製錬工程、採算性の検証など課題は多く、すぐに価格へ反映される段階ではありません。
③ 環境影響の議論が続いている
深海生態系への影響は十分に解明されていません。研究と並行して環境基礎調査も進められていますが、国際的にも慎重論は根強く、議論は継続中です。
■背景ちょい足し
2011年に太平洋の深海底に広く分布するレアアース泥が報告され、2018年には南鳥島周辺で高濃度地点の存在が公表されました。資源量の理論推定は示されていますが、「見つかった」ことと「安定供給できる」ことは別問題です。技術・コスト・環境評価が今後の鍵になります。
■ひとこと
「資源を持たない日本」という常識が変わるかもしれない――それは将来への希望です。けれど本当の豊かさとは何か。掘れるかどうかだけでなく、どう使い、どこまで許容するのか。私たちの選択もまた問われています。
