米の価格高騰、いわゆる「米騒動」は、まだ記憶に新しいところです。毎日口にするものだからこそ、わずかな値上げでも家計への影響は大きく、「これから先も上がり続けるのでは」と感じた方も多いのではないでしょうか。
米の値上がりが象徴する“体感インフレ”
実はその感覚、気のせいではありません。数字で見ても、2022年以降の食品価格上昇は、これまでと比べて明らかに大きな動きになっています。
2025年は「2万0,609品目」—値上げが当たり前になった
帝国データバンク(食品主要195社の調査)によると、2025年に値上げとなった飲食料品は2万0,609品目。前年比で+64.6%と、値上げが一部の商品に限られず、広い範囲に及んだことがわかります。
分野別でも、調味料・酒類/飲料・加工食品など、日々の食卓で出番の多いカテゴリが中心です。つまり「ぜいたく品が上がった」というより、生活必需品の土台が上がった一年だった印象です。
[図]月別値上げ品目数と食品分野別の推移(出典:帝国データバンク)
図を見ると、月別でも値上げが一度で終わらず、年に複数回“山”が来ているのが特徴です。たとえば2025年は、4月に4,225品目、10月に3,161品目と大きな波がありました(図表より)。
分野別の内訳も「調味料」「酒類・飲料」「加工食品」などに厚みがあり、家計に直撃しやすい分野で値上げが広がっています。
2026年はどうなる?—品目数は減っても安心できない理由
2026年は、4月までの判明分で3,593品目。前年同時期に公表された2025年の見通し(1〜4月まで6,121品目)と比べると、約4割減のペースだとされています。
一方で、1回当たりの値上げ率平均は14%とされ、値上げ幅そのものが小さくなったとは言い切れません(2025年は平均15%)。
つまり、「品目数が落ち着く=店頭価格が楽になる」とは限らない。値上げの回数が減っても、価格水準が高いまま“定着”していく可能性は残ります。
消費税0%でも不安が残るのはなぜ?
食品の消費税0%が話題になると、家計としては期待したくなります。でも近年の値上げは、税だけで説明できない面があります。帝国データバンクは、値上げの背景に原材料費のほか、物流費・人件費など複数のコスト要因があると整理しています。
さらに円安が続けば、輸入原料は円ベースで高止まりしやすい。だからこそ、税率が下がっても、別のコスト増が価格に乗って、「体感としてはあまり変わらない」という不安が残ります。これは悲観というより、ここ数年を見てきた生活者として自然な感覚なのだと思います。
ひとこと
節約の根性だけで乗り切るより、上がる前提で“付き合い方”を考える時期に来ているのかもしれません。数字を知ることは、不安をあおるためではなく、心の準備をするための材料だと思っています。
近日中に、帝国データバンクから新しい集計が公表予定です。
きょうの記事で全体像を押さえたうえで、「最新の数字を見て、何が変わった(変わらなかった)のか」を、もう少し掘り下げて書いてみたいと思います。

![[図]月別値上げ品目数と食品分野別の推移(出典:帝国データバンク)](https://www.yorimichi-sesouroku.com/wp-content/uploads/2026/01/371ba5aaf11b17a315a708c50d032edf-1024x523.jpg)