食料品の消費税が「8%→0%」になる――もし実現すれば、家計にとってはかなり大きな減税です。たとえば食料品を月に5万円買う家庭なら、単純計算で月4,000円ぶんの税負担が消えることになります。ところが報道では期間は2年。ここが“うれしいだけでは終わらない”ポイントです。
結論:8%→0%は強力。でも「2年限定」が難しさを生む
税率が下がれば一見わかりやすい支援に見えますが、生活の現場では「本当に安くなる?」「何が対象?」が一気に難しくなります。しかも2年後に元へ戻すなら、その瞬間が“実質値上げ”として家計にもお店にも重くのしかかります。
消費者目線:安くなるとは限らない/線引きで迷う
まず消費者目線。減税分がそのまま値下げになるとは限らず、「0%になったのにあまり安く感じない」といった不満が出るかもしれません。また現行の線引きどおり酒類や外食が対象外なら、テイクアウトとイートインの扱いなど、日常の場面で迷いが増えそうです。さらに2年後に8%へ戻ると、駆け込み購入と反動の買い控えが起きやすく、家計管理が難しくなる点も見逃せません。加えて、食費の減税は広く薄く効くため、必ずしも低所得層へ“狙い撃ち”で届くとは限らない、という見方もあります。
販売者(スーパー等)目線:現場負担が「導入時+戻し」で2回
次に販売者(スーパー等)目線。税率変更はレジ・会計・受発注のシステム改修だけでなく、棚札やチラシ、アプリ表示まで全面的な更新が必要です。しかも2年後に“戻す”作業がもう一度来る。対象判定も複雑になり、誤課税や問い合わせ対応の負担が増えるでしょう。
税収目線:減収の穴埋めと、将来負担の押し戻し
最後に税収目線。食料品の8%を止めることで年5兆円規模の税収減が見込まれるとの話もあります。消費税収は社会保障財源としての位置づけも強く、穴埋めをどうするのかは避けて通れません。国債市場が敏感に反応すれば金利上昇→利払い増の形で財政負担が膨らむ恐れもあり、短期の家計支援と中長期の財政の両立が課題になりそうです。
まとめ:いちばん揉めるのは「対象の線引き」と「2年後」
「8%→0%」はインパクトが大きい一方で、対象の線引きが複雑になればなるほど混乱も増えます。そして2年後に戻すなら、その瞬間が家計・現場・財政に同時に効いてくる。制度の“良し悪し”は、実施の仕方と出口設計で決まると言ってよさそうです。
