日経平均が7万円を超えたのに、ホンダも任天堂も苦しい——「株高の実感がない」理由を調べてみた

「日経平均が7万円を突破、史上最高値」というニュースが流れました。新聞もテレビも「株高」「最高値更新」と、どこか華やかな雰囲気です。

でも、ちょっと不思議に思ったことがあります。

同じ頃、ホンダは上場以来はじめての赤字を出し、任天堂は株価が大きく下がっていました。どちらも、誰もが知っている日本を代表する企業です。

株が史上最高値なら、こういう有名企業こそ好調なはずでは?「株高と言われても、なんだか実感がわかないな」——そう感じている方も多いのではないでしょうか。気になって調べてみました。

目次

日経平均7万円って、そんなにすごいこと?

まず、今回の「日経平均7万円」がどれくらいすごいことなのかを確認しました。

日経平均株価は2026年6月18日、はじめて7万円台に乗せました。さらに数日後には7万2000円まで上がり、6日連続で最高値を更新しています。

実は、6万円に届いたのが4月末。そこからわずか2カ月弱で7万円に到達したことになります。これは過去にないほど速いペースだそうで、大和証券は「年末には8万円になる」という予想まで出しています。

では、何がそんなに株価を押し上げているのでしょうか。答えは「AI(人工知能)」です。

AIを動かすには高性能な半導体や電子部品が欠かせません。その関連企業——たとえば半導体をつくる会社や、電子部品で知られるTDK・村田製作所といった企業の株が、世界的な需要を背景に大きく買われています。

つまり今回の株高は、「AIに関わる会社」が中心になって起きているのです。

でも、有名企業はむしろ苦しんでいる

ところが同じ時期、私たちがよく知っている企業からは、明るくないニュースが届いていました。

ホンダ

ホンダは2026年3月期の決算で、4,239億円の赤字になりました。ホンダが赤字になるのは、上場以来はじめてのことです。

原因は、電気自動車(EV)でした。北米でのEV計画を見直し、開発の中止などにともなう損失が、合わせて1兆5千億円以上にのぼったのです。6月26日の株主総会では、経営陣がこの赤字の責任を問われることになりました。

ただし、これを「一時的な痛み」と見る声もあります。来期(2027年3月期)は2,600億円の黒字に戻る見通しが出ているからです。

任天堂

任天堂は、もっと不思議です。

新しいゲーム機「Nintendo Switch 2」が大ヒットし、売上高はなんと前の年の約2倍、2兆3千億円に達しました。売上だけ見れば絶好調です。

それなのに、株価は決算発表の翌日に9%以上も急落し、一時は高値の半分近くまで下がる場面もありました。

理由は、主に3つです。

  • 部品(メモリ)の値段が上がり、利益が出にくくなったこと
  • Switch 2本体を1万円値上げすると発表したこと
  • 来年の販売台数は、今年より減る見通しを示したこと

「今は売れているけれど、この先は不安」と受け取られて、株が売られたのです。

なぜ「株高」なのに、有名企業は苦しいのか?

ここが一番の疑問でした。日経平均は最高値なのに、ホンダも任天堂も苦しい。これはどういうことなのでしょうか。

調べてみて、3つのことがわかりました。

① 「平均」を押し上げているのは、一部の会社だけ

日経平均は、たくさんの会社の株価を平均した数字です。でも、すべての会社が同じように上がっているわけではありません。今回は、AIに関わる一部の会社が大きく上がって、平均全体を引き上げています。その裏で、ホンダや任天堂のように下がっている会社もあるのです。

② 株価は「今」よりも「未来」を見ている

株価は、その会社の「これまでの成績」ではなく、「これから儲かりそうか」で動きます。だから、今は赤字のホンダでも「来年は黒字に戻る」と期待されれば買われ、今は絶好調の任天堂でも「来年は不安」と思われれば売られます。成績表ではなく、未来の予想図で値段が決まるのです。

③ 「平均が最高値」=「みんな儲かっている」ではない

これが一番大事なところです。「日経平均が最高値」と聞くと、日本中の会社が儲かっているように感じます。でも実際は、元気な一部の会社と、苦しんでいる会社が混ざっていて、その平均がたまたま高い、というだけなのです。

私たちの生活には、どう関係する?

ここまで調べて、「株高なのに実感がない」という感覚は、むしろ自然なことだと気づきました。

ニュースが「最高値」と伝えていても、それはAIなど一部の分野の話。自分の勤め先や、身近な企業が同じように好調とはかぎりません。だから、給料やボーナスに反映されている実感がなくても、不思議ではないのです。

大切なのは、「平均」という言葉に振り回されないことだと思います。「株が上がっている=景気がいい=自分も得をしている」と単純につなげず、いちど中身をのぞいてみる。今回のホンダや任天堂のように、有名企業でも事情はそれぞれ違うのですから。

まとめ

  • 日経平均7万円は、AIに関わる一部の会社がけん引している
  • ホンダ(初の赤字)や任天堂(株価下落)のように、有名企業が苦しんでいることもある
  • 「平均が最高値」でも「みんなが儲かっている」わけではない

株高のニュースを見たときは、浮かれすぎず、「中身はどうなっているのかな」と一歩立ち止まってみる。それだけで、ニュースの見え方が少し変わってくるように思います。

この記事を書いた人

暮らしやお金に関わるニュースの「気になる」を調べて自分の言葉でお届けします。ニュースをそのまま並べるのではなく、実際に体験したことや、深掘りして分かったことを大事にしています。たまに寄り道して世間話も。

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