■ 結論
スーパーの閉店時間が早くなっています。気のせいではありません。
「前は22時まで開いていたのに」——そう感じたことはないでしょうか。 ふと気づけば、近所のスーパーの閉店時間が20時、あるいは19時になっていた。 これは特定のお店の事情ではなく、社会全体で起きている静かな変化です。
■ 要点3つ
① 大手チェーンが相次いで営業時間を短縮しています
イオンをはじめとする大手スーパーは、深夜・早朝営業の見直しを進めています。かつて「24時間いつでも買える」は便利さの象徴であり、共働き世帯や夜勤明けの人にとって欠かせない存在でした。しかしその時代は、静かに幕を下ろしつつあります。閉店時間の短縮は一部の店舗にとどまらず、業界全体の流れになっています。
② 背景には、深刻な人手不足があります
帝国データバンクの調査によると、人手不足を原因とした倒産は2024年度に350件発生し、過去最多を2年連続で更新しました。スーパーも例外ではありません。採用できても定着しない、時給を上げる余裕もない、結果として少人数運営が常態化する——そんな悪循環が、営業時間の短縮という形で表れています。
③ 「不便」では済まない人たちがいます
営業時間の短縮は、単なる生活の不便以上の問題をはらんでいます。車を持たない単身世帯、免許を返納した高齢者、共働きで昼間に動けない世帯——こうした人々にとって、スーパーは生活の綱です。とりわけ地方では、閉店や規模縮小が地域インフラそのものの機能不全につながりかねない状況です。
■ 背景ちょい足し
少子高齢化・人手不足・物価高という三つの波が、2024年以降ほぼ同時に限界点を超えました。ネットスーパーや移動販売が代替策として語られますが、品数・価格・頻度の面でまだ完全な解決には程遠いのが現実です。
「また閉まってた」という小さな違和感の正体は、誰かの怠慢でも経営努力の問題でもありません。社会全体がじわじわと余裕を失っていく過程のひとつ、と言えるかもしれません。
■ ひとこと
当たり前だと思っていた「夜に買い物ができる」という暮らしは、実は多くの人の犠牲の上に成り立っていたのかもしれません。
