新卒は高給、ベテランは嘱託。企業は“宝”を見失っていないか

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【結論】

人手不足の時代、企業は新卒確保に本気で動き始めた。
だがその一方で、現場を支え続けてきたベテランや中堅の価値が、賃金に十分反映されているのか――そこに違和感を覚える。

人材は“コスト”ではなく“資産”のはずだ。

【要点3つ】

① 新卒の初任給は「取り合い価格」

少子化と売り手市場の中で、新卒給与は上昇傾向にある。
優秀な人材を確保するための投資だ。

しかしその結果、
「新卒と中堅の給与差が縮まる」
という現象も起きている。

② ベテランは“戦力”でも賃金は抑制

定年後の再雇用では、仕事内容が大きく変わらなくても賃金は下がるケースが多い。

企業としては人件費の調整かもしれない。
だが、経験・調整力・人間関係の蓄積は、簡単に代替できるものではない。

③ 忘れられがちな「つなぐ人」の存在

私の職場にも、たたき上げで係長まで務められた先輩がいた。
定年後は嘱託として残り、

  • 部長や課長のサポート
  • 新任係長のフォロー
  • 新人への気配り

と、組織の潤滑油のような役割を担っていた。
現場が荒れないのは、その方がいたからだと思う。
だが、給与には十分反映されていないと聞いたことがある。

あの経験と安心感は、企業にとって“宝”ではなかったのだろうか。

【背景ちょい足し】

近年は、大手企業の中にも賞与制度を見直し、固定給の比重を高める動きが出ている。
人事制度そのものを再設計しようという流れだ。

企業は変わろうとしている。

だが――
「採る力」にお金を使う一方で、
「支える力」への評価は追いついているだろうか。

【ひとこと】

マニュアルでは引き継げないものがある。

空気の読み方。
若手への声のかけ方。
トラブルの丸め方。

それを知っているのは、中堅やベテランだ。

新人確保に躍起になる企業よりも、
“つなぐ人”を大切にする企業のほうが、
長い目で見れば強くなるのではないか。

そんなことを、ふと思い出した。

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