見た目は鈍化、でも中身はまだ高い 消費者物価指数で見えた家計の重さと原油高の不安

2026年2月の消費者物価指数は、見た目には少し落ち着いた。
総合は前年同月比1.3%上昇、生鮮食品を除く総合は1.6%上昇で、前月の2.0%から伸びが鈍った。数字だけ見れば、「物価高は少し和らいだのかな」と感じてもおかしくない。

ただ、暮らしの実感はそこまで軽くない。
物価の基調を見やすい生鮮食品・エネルギーを除く総合は2.5%上昇。さらに、生鮮を除く食料は5.7%上昇と、毎日の買い物に近い部分はなお重い。つまり、見出しになる数字は鈍化していても、家計が向き合う「中身」はまだ高いままだ。

今回の鈍化には理由がある。
政府の電気・ガス補助などでエネルギー価格が押し下げられ、全体の数字が抑えられた面が大きい。これは家計には助かる一方で、「物価そのものが自然に落ち着いた」とまでは言いにくい。政策で一時的に和らいで見えている部分があるからだ。

そこへ重なるのが、中東情勢による原油高の不安である。
足元では中東の緊張を背景に、原油市場は大きく揺れている。ロイターは3月24日時点でブレント原油が1バレル101ドル台まで上昇したと報じており、供給不安が解消したとは言いにくい。日本政府も国内の共同備蓄活用を進める方針を示しており、エネルギーを巡る警戒は続いている。

つまり今の物価は、
「統計の表面は少し落ち着いたが、食料は高いまま、しかも原油という次の火種も残っている」
という状態なのだと思う。

数字だけを見て安心しにくいのは、そのためだ。
家計が本当に知りたいのは、CPIが何%だったかだけではない。これから先、食卓や光熱費、ガソリン代がどうなるのか。今回の物価統計は、その不安がまだ終わっていないことを静かに示しているように見える。

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