結論
日銀は3月の決定会合で金利を0.75%に据え置きました。
ただ、内容はむしろ“様子見”というより次の利上げに含みを残す会合だったように見えます。
「見通し通りなら今後も利上げを続ける」という方針は変わらず、円安や原油高が物価を押し上げるリスクにも目配りを強めています。
そのため、次のタイミングは4月、遅くとも6月〜7月ごろまでが焦点になりそうです。もっとも、これはまだ決定ではなく、物価や景気の数字を見ながら最終判断される段階です。
要点3つ
いまの政策金利は0.75%。3月会合では据え置きだった
3月18〜19日の会合で、日銀は短期政策金利を0.75%に維持しました。
ただし据え置き一色ではなく、高田審議委員は1.0%への引き上げを提案して反対票を投じています。
つまり、政策委員の中には「もう一段の利上げが必要だ」とみる声がすでにある、ということです。
日銀は“時期を逃さず”動く空気を強めている
3月25日に公表された1月会合の議事要旨では、複数の委員が「適切なタイミングを逃さず次の利上げを進めるべきだ」という趣旨の発言をしていました。
背景にあるのは、賃上げと値上げが同時に進む流れが定着しつつあること、そして円安による輸入物価の上昇が以前より家計に波及しやすくなっていることです。
日銀は表向き慎重でも、内部ではかなり利上げ方向を意識していることがうかがえます。
次の山場は4月会合。6月〜7月まで視野に入る
日銀の次回会合は4月27〜28日、その次は6月15〜16日、さらに7月30〜31日です。
植田総裁は3月会合後、次の四半期見通しが出る4月会合が重要になるとの考えを示しました。
市場では4月利上げ観測も残っていますが、一方で2月の全国コアCPIは1.6%に鈍化しており、政府の補助金で見かけの物価が押し下げられている面もあります。
そのため、4月で動く可能性はある一方、日銀がもう少しデータを見て6月や7月に判断を送るシナリオも十分ありそうです。
背景ちょい足し
今回やや分かりにくいのは、表面の物価は少し鈍って見えるのに、日銀が気にしている“中身”の物価圧力はなお残っていることです。
2月のコアCPIは1.6%まで下がりましたが、燃料補助の影響が大きく、日銀が重視する生鮮食品と燃料を除く指数は2.5%でした。
食料価格も高い伸びが続いており、日銀は夏までに一時的要因を取り除いた新しい物価指標を示す予定です。
つまり日銀は、「見た目より基調は弱くない」と考えている可能性があります。
ひとこと
今回の決定会合は、「据え置きだから何もなかった」とは言いにくい内容でした。
むしろ、次の利上げが近づいていることをにおわせた会合だったと見る方が自然です。
住宅ローンや企業の借入れにすぐ大きな変化が出る水準ではまだありませんが、0.75%の時代が当たり前になり、そこからさらに上がる可能性まで意識しなければならない局面に入ってきたのかもしれません。
